北海道ツーリング顛末by江戸川区のKさん

ツーリングレポートを頂きましたので、ご紹介しましょう(ご本人、ご了承済み)。
****************************************************************************************************************************************
こんばんわ
長いですが、お時間のあるときにどうぞ。

(The day 1)

午前2時52分
カッパを着込んでの出発は最近では記憶にない。
道中は容赦のない大雨。
国道4号の草加あたりで浸水。
やむなくパワーフィルターを外し、直キャブで雨中行軍に挑む。
国道4号は越谷を過ぎると街灯が無くなる。
そして、ライトが消えていることに気が付いた(笑)
ハイビームも効かないので、とりあえずパッシングスイッチを押しっぱなしで走る。
当然だが、車線変更の際は、ウインカースイッチに手を伸ばすのでライト消灯。

午前5時49分
白河まで3時間弱、いつものコスモで給油。
ライトバルブをチェックしたけど切れていない。

午前9時45分
大衡村で給油。
雨も小降りになったので、パワフィルター装着しよう。
若いはつらつとした店員が工具を貸してくれて、エアブロー完了。

午前11時45分
紫波のラーメンショップに不時着成功。
直前でパワーフィルターが大雨で再び浸水。
直キャブに戻して旅を続ける。

午後3時36分
八戸到着。
やはり雨だとペースが上がらないな。
給油を済ませ、フェリーの乗船手続きを済ませる。

午後4時45分
乗船開始
そそくさとバイクを預け、風呂に入り、濡れた衣類を干す。
幸い、乗客が少なく、物干しスペース使い放題(大笑)
明日の走行を考えてビール350ml一本でこっそりと乾杯。
そういえば、点かないヘッドライトどうしようか?
バルブは切れていないし、電装系だと思うが、下手にいじるとパッシングすら使えなくなるかな。
だめだ、頭が回らない。とりあえず、北海道の夜間走行はパッシング長押しでしのごう。
明日も走るぞ。
おやすみなさい。

(The day 2)

午前1時30分
苫小牧港入港。
雨は止んだけど、路面はフルウェット。
おまけに霧が出て前が見えない。
しかもハイビームなので拡散してしまい益々前が見えない。

泣きそうになりながら占冠到着。
日勝峠が台風被害の影響で長期通行止めなので、道東自動車道が無料開放されている。
入り口で通行券を受け取る。
「お客さん、それスクーター・・」
「180ccあるので大丈夫です」
確かに、午前3時に妙なスクーターが現れたら誰でも驚く。

漆黒の闇の中、手押し式ハイビームの明かりだけを頼りに高速を走る。
時折手が疲れて、ボタンを押す手が緩むと、突然、漆黒の闇に取り残される。
狩勝第一トンネル突入。
直前に数回失火する気配を感じた。
嫌な予感がする。
全長2,351m、標高626mは道内の高速道路では最高地点。
再び失火!
ギャーやめてー
みるみる失速、かろうじて非常停車帯に滑り込む。

午前3時55分
早朝。
北海道の山中。
イタリアンスクーター。
これ以上の絶望を自分は知らない。
新4号バイパスのエンジンストールもしびれたけど、
高速のトンネルの中というシチュエーションがまたしびれる。
幸い、リタイヤを決意すれば、非常電話でSOSができる算段は整っている。
冗談で北海道で壊れたら、ランナーは捨てて飛行機で帰ろうと思っていたけど、
トンネルの中では、まずそこからどうやって脱出するかを考えないといけない。
外装をばらして電装系を見てみよう
CDIが死んでいたらアウトだが、火花はかろうじて飛んでいる。
あちこちチェックしても異常は見当たらず、そうこうしているうちに再点火。
北海道ツーリング顛末by江戸川区のKさん_b0020250_08043262.jpg
ところが、順調に走り出したのも束の間。
狩勝第二トンネル内でストール
そんなに高速のトンネルのが好きなのかお前は!
今度は全バラにせずに、プラグキャップを締めなおす。
あっけなく再点火。
ほうほうのていで十勝清水で高速を降りる。

本別から再び道東自動車道の無料区間に乗る。
ふと、気が付いたのだが、帯広で給油後、一度も失火しない。
なんだろ?

天気はあまり良くないようだ。
納沙布岬を往復4時間の遠回りなので迷いながら走っていると
再び失火
ストール

仮説を立ててみた
1)長時間パーシャルにしていると止まる
2)ガソリンが満タンの時は症状が出ない
3)従って原因は点火系でない
4)あちこちいじっている間に時間が経ち、ガソリンが落ちてくるからかかる?

何もせずに待ってみる。

残ガスは1㍑程度と、仮説を検証するには最適だ。
果たして
掛かったぞ!
決めた
引き返そう。

午前8時10分
釧路和商市場に到着。
出張で寄ったのが最後だから16年ぶり。
駅前に妙な教会ができたくらいで、驚くほど景色が変わってない。
初北海道(90年)の際に釧路駅のツーリングトレインに泊り、
他のライダーに勧められて食べた、和商市場のイクラ丼の旨さが忘れられない。
記憶を頼りに、幣舞橋の絵を飾っていたお店を探すが見当たらない。
どうしても見当たらないので、近くの店のおじさんに聞くと、随分前に店じまいしてしまったそうだ。
それはそうだ
90年の時点でおばちゃんなら、27年経てばおばあちゃん。
他の店でイクラ丼を食べて空腹を満たす。
北海道ツーリング顛末by江戸川区のKさん_b0020250_08040531.jpg
ようやく落ち着いた。
納沙布岬をスキップしたので時間に余裕ができた。
国道38号で襟裳岬を目指す。
天気も回復して気分は上々だ。
北海道に来た高揚感が今頃になって盛り上がる。

午前11時56分
大樹町でエンジンストール
走るのも飽きたので、少しばらして点検してみる。
密林に打ち捨てられた大戦中の戦闘機みたいで物悲しい。
北海道ツーリング顛末by江戸川区のKさん_b0020250_08044300.jpg
午後1時59分
襟裳岬到着。
相変わらず何もないので笑ってしまう。
森進一が「何もない春です~」と歌ったからなのか?
大間崎と並んで、旅情を感じない岬に認定。

道道1025号
牧場の中を抜ける快走路。
今回の北海道チャンピオンコースに決定だ。
途中にお約束のダートが3km
でも信じられないくらい走りやすいんだ。
お約束のエゾシカ飛び出しもあり
北海道満喫。
北海道ツーリング顛末by江戸川区のKさん_b0020250_08042452.jpg
午後6時11分
北海道最後の給油。
苫小牧フェリーターミナルで乗船手続きを済ませる。
時間が早いので、荷物の整理をして、持参した小池タオルで洗車。
帰路は2等シングル
ビールも500mlに昇格。
今日走ってきた道を、地図でたどりながら気絶。
おやすみなさい。

(The day 3)

午前4時45分
八戸港入港。
トラック、乗用車の順に下船。
いつもながらバイクは最後に下船で午前5時の八戸。
今日は国道4号に向かわず、海沿いに太郎大橋、八戸大橋を超え、県道1号線に入る。
早朝の種差海岸は青一色に染まっていた。
「ナニコレ、最高かよ!?」
朝日で赤く染まった三陸海岸も見事だったが、
夜明け少し前の空が白み始めた青白い海も最高だ。
やっぱりツーリングは早起きに限る。

午後1時30分
大河原で昼食。
ロードサイドのお店が目には入っていたのだが、連休最終日ということもあり、どこも満員。
少し、昼の時間をずらそうと思っていたら、あっという間に仙台を通過してしまった。

ふと、妙なことに気が付いた。
大雨の影響で、ヒューズが飛び、鳴らなくなっていたハズのホーンが生き返っている(笑)
ということは、切れたヒューズはヘッドライト?
ところが、ヒューズを差し替えてもヘッドライトは生き返らない。
ありえないけど、全部のヒューズが正常ならヘッドライトもつくのかしら?
できれば、渋滞必至の宇都宮から先は、ハイビーム 長押し走行は避けたい。

午後2時32分
白石で給油。
ヒューズを外して、バイトの姉ちゃんとおしゃべりしている30代くらいの店員に
「すみません、これと同じサイズのヒューズありますか?」と尋ねると、
「ないです。今は車は全部小さいサイズになったので、大きいのは無いです」と秒殺された。
まあ、無ければ無いで良いし、大した儲けにならないのもわかる。
でも、話が終わるやいなや、「でね~」みたいな感じで姉ちゃんと話を始めるのは如何なものかと。

午後5時00分。
那須塩原で給油。
GSの裏が、カインズホームだ。
早速ヒューズを購入。
装着すると、再点火!
人類が初めて火を見つけたときくらい感動した。
点かないライトが治っただけで、幸せになるハードルの低さがイタリアン。

あとはノンストップ。
宇都宮、上三川、小山、境、春日部、越谷。
すり抜けの連続なので、たびたびハイビームに切り替える。
順調に見えた帰路だが、越谷あたりで、再びライトが切れる!
しかも、今度はポジション灯以外が全滅だ。
ギャー。
マジかよ。
仕方なくガレージによって、ヒューズ交換。
明らかにどこかショートしているので、ありったけのヒューズを抱えて帰還。
幸い、そのあとは切れずに、というか都内 はライトなしでも何とかなるし。

午後8時41分
自宅着
長く てバカバカしい旅が終わった。
何のためにと言われても答えは無い。
答えは風の中。

給油回数 14回
ガソリン代 17,851円
走行距離 2,419km /3日
消費燃料 129.98㍑
平均燃費 18.61km/㍑

Commented by zapper_zero at 2017-10-20 00:19
いやはや、とんだツーリングでしたね(汗)

『何のために?答はない』

なんかそれ判りますねw

しかし『凄い』の一言です
お疲れ様でした。
Commented by VXR-きっさん at 2017-10-20 00:40 x
『何のために?答はない』
たまらんなあ。
ボクのツーリングは足下にも及ばないけど
イタスクで行くツーリングは楽しいです。
出掛ける前に一生懸命メンテして・・・
Commented by WATARU at 2017-10-20 08:57 x
まじ卍!
Commented by 江戸川区のK at 2017-10-20 22:33 x
どうも~僕です(笑)
今回は雨にやられました。
ロングに行く前は一通り点検していくのですが、
あれだけ長時間雨に降られれば電装系も抗う術がありません。

みんな驚きますが、クラッチ付きの大型バイクより楽です。

①そこそこ速い
②座り心地が良く尻が痛くならない
③メットインなので積載性が良い
④軽いので好きな時に好きなところへ
⑤壊れてもアナログなので大体修理できる

ネックは・・

リアタイヤが5,000kmしかもたないうえに
13インチなので普通のバイク屋には在庫が無い。

くらいでしょうか。

10万キロまであと1,500km
ゴールは大阪ですかね?(笑)
Commented by ET4@盛岡 at 2017-10-31 15:40 x
お近くを通られたのですね。
※紫波のラーメン店、なんとなくわかります。
娘がいる藤沢市まで年2回往復1,000km程度走りますが
道中すべて雨の時があって、あれは参りますねー
※第1回目のときは仙台でセカンダリ崩壊、レンタカーでサルベージ帰還。。。でした。

大変でしたが、事故なくの帰還お疲れさまでしたー
Commented by 川西のT at 2017-11-11 11:12 x
凄い大豪邸にお住まいなんですね!
Commented by 京都U at 2017-11-11 17:11 x
最高ですね イタリアン~ コチとら富士山五合目でフロントブレ-キ無くなった位ですかね
名前
URL
削除用パスワード
by moltobene1 | 2017-10-19 20:29 | ツーリング関係 | Comments(7)

イタリアン・スクーター大好き!


by moltobene1